ここ5年ほどの間で、夏の猛暑日の記録がどんどん更新されている日本ですが、
人間でも厳しい暑さの中を、野良猫たちはどこでどのように過ごしているのでしょうか?
野良猫は飼い猫のように、家の中で強い日差しから守られ、
すぐに水が飲めるように用意してくれたり、快適な室温に調節してくれる人もいません。
普通に生きていくだけでも大変な野良猫です。
しかし、厳しい自然は彼らに容赦はありません。
そんな過酷な暑さの中を生きる野良猫たちの夏を調べてみました。
夏の暑い時はどこにいるの?
野良猫たちは夏の暑さを逃れるために、陽を避けられる木陰や車の下などで休んでいます。
特に木が多い公園の日陰になるところでじっとして、
暑さで奪われゆく体力を少しでも温存しようとしているようです。
そして、しばらくするとまた、日差しが避けられて、風通しの良いところを探して移動しています。
暑い中で休んでいる野良猫が毛づくろいをしているのをよく見かけます
これは自分の体を舐めた唾液の蒸発の際に体温から熱が奪われる、
「気化熱」を利用して体温を下げているのです。
夜になり少し涼しくなると、出歩いている野良猫たちに出会うことがよくあります。
少し冷えた夜のアスファルトの道路に寝転がったりしている姿もよく見かけます。
焼けつくようなアスファルトの道路、肉球はヤケドしないの?
猫の手足のぷにぷにした肉球は毛で覆われておらず皮膚がむき出しで、
夏の焼けつくようなアスファルトの道路を歩くとヤケドしそうで心配になります。
猫の体温は38度から39度ぐらいと人間よりも高く、意外にも肉球は温度に鈍感だといわれています。
また、外で暮らしている野良猫は様々な場所を歩くため、
ボコボコした地面に慣れていて、家猫よりも肉球が固くなっているようで、
私たちが心配をするほど野良猫の肉球はヤワではないということです。
野良猫が熱中症にかかった時の症状とは?
猫の祖先はアフリカの砂漠地帯に住んでいたリビアヤマネコといわれており、
現代の猫も暑さには比較的強いといわれていますが、日本の夏は湿気が多く、
それがますます過酷な暑さに拍車をかけています。
また、猫には汗腺がほとんどないため、人間のように汗をかくことで体温調節をすることがうまくできません。
特に、体温調節がまだできない子猫や病気や高齢で体力の弱っている猫は熱中症にかかりやすくなります。
猫が生活するのに快適な環境として、温度は20℃から23℃、湿度は50%ぐらいですが、
熱中症にかかりやすくなる環境は、気温が30℃以上、湿度が60%以上の風通しの悪い所に長時間いることです。
熱中症にかかった時の症状として、
食欲不振
息が荒い、体温が高く、耳が熱い
よだれが出ている
ぐったりしている
下痢、嘔吐
近づいても逃げもしない
などが挙げられます。
もしも助けてあげられる状況であれば、応急処置として、
濡れタオルで全身を包んだり、霧吹きを使って水でぬらしたりして体温を下げるようにします。
また、血管が萎縮して血流が悪くなるのを防ぐために、体を軽くマッサージします。
熱中症の時は、脱水症状も起こしているので水を飲ませるようにします。
自分で飲むことができないようであればスポイトで少しずつ与えます。
しばらく様子を見て、症状が回復しないようであれば、獣医さんに診てもらうことをおすすめします。
野良猫好きとしてできることは?
野良猫好きとしては、彼らが少しでも夏を快適に過ごせるように何かできないかと考えます。
もし、自宅の庭に時々遊びにやってくる野良猫がいたなら、
涼しげなよしずなどで日陰を作ってあげたり、熱い地面から逃れられるように、
すのこなどを敷いてあげると良いでしょう。
また、脱水症状を防ぐために、飲み水も一緒に置いてあげましょう。
家に入れて涼ませるということはできなくても、このぐらいはできるかもしれません。
野良猫が日陰で安心した顔で昼寝している姿を見せてくれるだけで、
野良猫好きは幸せな気持ちになります。
まとめ
過酷な夏の暑さの中を、野良猫たちはどのように過ごして、乗り越えているのかまとめました。
暑い夏の昼間は、木の多い公園などの木陰にじっとしていることが多く、夜になり気温が下がってくると動き出し、出歩いている。
・野良猫の肉球は地面に鍛えられて固くなっていて、焼けつくような真夏のアスファルトの道路を歩いても、すぐさまヤケドをすることは無いようだ。
・猫の祖先は砂漠地帯で暮らしていたので、暑さには強いほうだが、子猫や体力の弱っているものは熱中症にかかることがある。
終わりに
私たち人間は、暑ければ薄着になったり、エアコンを使ってすぐに快適な環境を作ることができますが、
野良猫たちは自然に順応して生きていかなければなりません。
地球の環境も少しずつ変わってきており、毎年の猛暑日の記録更新を聞くたびに地球温暖化を実感しつつあります。
それは野良猫たちにとってますます生きることが厳しい環境になることです。
そんな中で野良猫は、生きていくための強さや柔軟さを誰に教えられることなく身につけていることに驚きます。
猫は自分で快適な居場所を探すのが上手です。夏は涼しい風の通り道を探して歩いています。
野良猫の歩く道をついていけば、居心地の良い場所を教えてくれるかもしれませんね。