野良猫ブログ

【猫が神様!】猫神社・王子神社・お松大権現(徳島県)について

新しい年を迎えて、今年も一年健康で安全に過ごせるよう、

また商売繁盛や試験合格を祈願しようと

神社へ初詣に出かけた方も多いと思います。

神社に祀られている神様は、神道の神様で八百万の神々

いわれるように、多彩に渡ります。

皇族や氏族の祖となる人や偉人、

義士、伝説上の人物、また動物の場合も多くあります。

例えば、八幡様は勝負の神様で、

昔の戦では大事な存在の馬が祀られています。

また、お稲荷さんは豊穣、商売繁盛のご利益があるとされ、

キツネが神様の使いとして大事にされています。

このように、動物を祀っている神社は私たちの身近に存在しています。

その中で、猫を神様として祀っている神社、

いわゆる猫神社をご存じでしょうか?

猫神社と呼ばれる神社は日本各地にありますが、

今回は、四国・徳島県の王子神社と筆者が

実際に参拝したお松大権現を猫好きのみなさんにご紹介したいと思います。

王子神社・お松大権現(徳島県)

お松大権現に入る鳥居の下に可愛らしい足跡が…

阿波の猫騒動

「猫神(ねこがみ)さん」と呼ばれて親しまれている

この2つの神社は、なんと同じ猫とその飼い主のお松さんを

祀っています。なぜこのような形になったかというと、

それは江戸時代の中期に起きた

「阿波の猫騒動」という出来事に由来します。

阿波の国加茂村(現在の徳島県阿南市加茂町)に

庄屋の惣兵衛とお松の夫婦がおりました。

二人の間には子供がいなかったので

猫(三毛)を可愛がっていたといいます。

村はその当時、不作続きで人々は暮らしに

困っていたので、惣兵衛は五反の土地を担保にして

野上三左衛門という富豪にお金を借り、

村を立て直すことができました。

惣兵衛は三左衛門にお金を返済しましたが、

三左衛門が証文は後で届けるといって一向に届かず、

挙句の果てにはお金を返してもらっていないと言うのです。

そんな問題の渦中に、惣兵衛は病気で亡くなってしまいます。

残された妻のお松さんは、夫の代わりに三左衛門に証文を

渡してくれるよう訴えますが聞き入れません。

お松さんは奉行所に訴えるのですが、

長谷川奉行は三左衛門から賄賂を受け取っていて、

三左衛門の言い分を認めてしまいます。

そんな権力と金に動かされた不当な裁判を、

お松さんは決死の覚悟で藩主に訴える「直訴」に出ます。

当時、直訴は重罪で死刑は免れないものでした。

藩主の行列を横切り、殿様に直訴しようとした

お松さんは捕らえられ、極刑にされてしまいます。

その後しばらくして、三左衛門や長谷川奉行の家に

化け猫が出るという事件がおこります。

そして両家に次々と不幸が起こり、ついには断絶していまいます。

お松さんの無念を聞いていた飼い猫の

お玉が代わりに化けて復讐したのではといわれるようになりました。

お松さんの、正義を貫いたがために悲しい

結末になってしまったことを偲び、

村人はお松さんと猫のお玉を祀るようになりました。

なぜ王子神社にもお松さんとお玉を祀っているのか?

阿波の猫騒動の舞台は阿南市加茂町ですが、

王子神社は徳島市八万町に位置します。

距離的には20キロほど離れています。

ここは富豪の三左衛門の別宅があったところで、

そこにも化け猫が出たことから、

その怒りを諫めるためにこちらにもお祀りしたということです。

お松大権現の様子

勝負の神様お松大権現

お松さんの仇を取ったということから、

勝負の神様として親しまれています

巨大な招き猫が迎えてくれます

 

招き猫が1万体いるそうです よく見ると商売繁盛祈願の黒猫もいます

願いが叶ったらお返しするシステム

招き猫を借りてきて、家の神棚に置いて願掛けをします。

願いが叶ったら神社へお返しするという慣わしがあります。

買い取って持っておくこともできます。

 

捨て猫厳禁の札

実は筆者は20年以上前にも、お松大権現を訪れたことがあります。

当時から、こじんまりとしてはいるが、

受験シーズンには合格祈願の学生が多く訪れると有名でした。

そのころは本物の猫が境内に数匹いましたが、

今回訪れた時は、一匹も見かけませんでした。

捨て猫厳禁の札が立っていて、その効果もあるのでしょう。

昨今の猫ブームの影響と思いますが、

参拝客が以前よりも増え、臨時駐車場もできるほど賑わっていました。

 

猫の模様の可愛らしいお守り

猫の模様の可愛らしいお守りです

 

おわりに

猫神社として有名な王子神社とお松大権現は、

猫好きな方にはたまらなく興味深い神社といえるでしょう。

狛犬ならぬ狛猫が迎えてくれ、猫が描かれたお守りを手にしたり、

願い事をする参拝客をたりしていると、

心がゆるんで年末の慌ただしさは

すっかり消えたようにすがすがしい気分になりました。

私は家族、飼い猫の健康、自分の目標を願ってお参りしました。

おみくじも引いてみました(吉が出ました)。

初詣が新年の一つのイベント的なものとなってきましたが、

身近な神社の由来や歴史を知ることで

より親近感を持てるような気がします。

そして猫が遠い昔から、人間とともに暮らしてきて、

お松さんとお玉の件は悲しい出来事でしたが、

現在までそのことが語り継がれ、

人々が集い、思いを馳せ、平和に感謝する場所を、

これからも大切にしていきたいものです。

そして気持ちも新たに、この一年大好きな猫と幸せに暮らせますように。

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