突然ですが、皆さんのまわりに、野良猫はいますか?
普段、野良猫が活動している姿を目にすることは少なくても、
夜中や明け方に、野良猫の鳴き声が聞こえてきてしまい、気になってしまう、という方も多いはず。
野良猫が夜に鳴く(夜鳴き)理由は、「けんか」か「発情期」の二つの場合がほとんどです。
今回の記事では、その理由の詳細とともに、野良猫の声が気になって
仕方がない方のための、簡単な対処法を紹介したいと思います。
夜に鳴く(夜鳴き)の理由① 「けんか」
野良猫の世界には縄張りが存在します。野良猫たちは、
その縄張りを守る必要があるときに、他の野良猫とけんかをするといわれています。
野良猫というのは本来、ケガなどのリスクを避けたがるもの。
他の野良猫とすれ違っただけで喧嘩をする、といったことはなかなかありません。
なんだか野良猫、と聞いたときに抱いていたイメージとは違いますよね。
食事や水、自分が休息するための場所。それらが失われるかもしれない。
そのような危険を感じて初めて、他の野良猫とけんかをするのです。
縄張り争い以外では、発情期などに、メスを巡ってオス同士がけんかをすることもあります。
メスの本能として、より強いオスを受け入れるためです。
また、けんかをするのはオス猫同士が多いと言われていますが、
たまにメス猫も声を上げてけんかをすることがあります。
気に入らないオスが、しつこくアプローチをかけてきたとき、
追い払うために、オスのように声を荒げることも少なくないようです。
夜に鳴く(夜鳴き)の理由②「発情期」
冬の終わりから夏にかけての季節や、出産後の時季、猫たちは発情期を迎えます。
去勢されていない野良猫は、この発情期を迎えると、異性を求めて鳴き声を上げます。
このとき、オス猫がメスを求めて鳴き声を出すこともありますが、
多くはメス猫がオスを誘うために鳴くと言われています。
発情期の鳴き声は、大きく低い声で「ナーーオ」や「ゥオォーン」というもの。
大きく特徴的な声なので、聞き覚えのある方はピンときますよね。
参考用の動画はこちら!
私の近所も大きな空き地や、庭付きの一軒家が多いため、
暖かい時期は頻繁に野良猫たちの鳴き声が聞こえてきます。
この高ぶる声に、異性の野良猫が答える形で鳴く。発情期の夜鳴きの特徴です。
ちなみに、発情期の発現には、日中の明るい時間帯の長さ(日照時間)も
影響していると言われています。
そのため、繁華街など、屋外でも照明がついて明るい地域の野良猫は、
一般的な発情期に関係なく発情することも多いようです。
なぜ夜に鳴く(夜鳴き)のか
猫は夜行性。そう考えられることも多いですが、厳密には違います。
正確には薄明性といって、夕方や夜明け頃の薄明りの時間帯に、
最も活発に活動します。夜明け頃に動き出す鳥や、
夕方に活動するネズミなど、獲物を追いかけるためだと言われています。
なぜ私たちは、野良猫が夜に動き出すと感じるのでしょうか。
それは人間の活動時間に関係があります。
夜になると通りを歩いている人間の数も減り、脅威が少なくなったと感じる野良猫が活動を開始するためです。
私も、かつて住んでいた家の軒先で、昼間に野良猫同士がけんかをしている光景を、よく目撃しました。
その野良猫たちは、近所で車やドアの音が聞こえると、ビクッと反応して、けんかをその都度、中断していました。
人間の活動が活発な明るい時間帯は、野良猫たちにとって、活動をするには障害が多いのです。
逆に、屋内で飼われている猫はしばしば、日中は人間と同じように起きて、消灯すると人間と同じように休息を取ります。
このように、猫の活動時間は人間の活動時間とも関係してきます。
野良猫と屋内で飼われている猫の違い
屋内で人間に飼育されている猫と違い、野生や屋外で生きる野良猫は、積極的に鳴くことは、あまりありません。
他の野良猫や外敵に、自分の居場所を知られてしまうからです。
様々な危険が潜んでいる野良猫の世界では、少しでもケガなどのリスクを減らすことが必要です。
一方、屋内で飼育されている猫は、そのような危険にさらされることはありません。
そのため、飼い主とのコミュニケーションとして、様々な場面で鳴きます。
甘えたいとき。不安なとき。その気持ちを伝えるために鳴くことがあります。
「けんか」と「発情期」。この二つ以外にも、野良猫が鳴く理由はありますが、
あらゆる危険が潜んでいる野良猫の世界。安易に鳴くことは、命の存続にも関わります。
野良猫は生き残るため、危険をおかして鳴く。裏を返せば、そう考えることもできます。
野良猫の鳴き声がうるさいときの対処法
喧嘩や発情期の鳴き声が、夜中から明け方にかけて聞こえてくると、
気になってなかなか寝付けないという方もいますよね。
いくら猫好きの方でも、就寝中に鳴き声が鳴りやまずに聞こえてきたら、ストレスが溜まってしまうかもしれません。
自宅付近が野良猫の縄張りとなっているときの対処法としては、
まず市販の超音波式の猫よけセンサーを設置することが挙げられます。
それ以外に身近なもので対策するとしたら、自宅の周辺にコーヒーのカスやせっけん水をまくという方法があります。
また、猫はオレンジやレモンなどの柑橘類のにおいを嫌うため、これらのにおいのするスプレーをお持ちの方は、ガレージや庭先に吹き付けておくことも効果的です。
この記事にも詳しく書いていますので参考にして下さい!
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中には保健所に相談して、野良猫に対処しようとする方もいるかもしれません。
しかし、相手も厳しい環境を必死で生き抜こうとしている、一つの命。
保険所への相談は、あくまで最後の手段ととらえて、お互いが幸せになれる穏便な手段を選んでいきましょう。
まとめ
今回の記事では、野良猫が夜に鳴く(夜鳴き)理由と、気になって眠れないときの対処法についてお伝えいたしました。
・野良猫の夜に鳴く(夜鳴き)の理由は「けんか」か「発情期」がほとんど
・夜に鳴くのは、人間との遭遇率の減る夜間に行動を活発化させるから
・どうしても、野良猫の鳴き声が気になるときは、せっけん水や柑橘スプレーで対処
野良猫は夜に活動するもの、と考える方も多いですが、
それはあくまで人間との関係性あってのこと。
都市型の野良猫が様々な時季に発情することも考えると、
野良猫たちの存在も合わせて一つの環境といえます。
うまく共存していく方法を探っていきたいものですね。