野良猫を見つけるとつい構ってあげたくなりますよね。
猫はもともと警戒心が強く、とくに野良猫は人慣れしていないこともあって、近づくこともできず逃げられてしまいがちです。しかしまれに、人間を恐れない野良猫もいます。足元にやって来た野良猫を撫でてやると、どこからともなくゴロゴロという音が…これ何の音?
猫のゴロゴロという鳴き声は、なんだか不思議ですよね。
ここでは、野良猫がゴロゴロ鳴く意味と、鳴き声ごとの感情について紹介します。
野良猫がゴロゴロ鳴く意味
そもそも猫のゴロゴロは喉の中から聞こえる音で、猫の感情に応じて喉の筋肉が動き、声帯の隙間を通る空気を振動させることで発せられています。猫を飼ったことのある方にとっては日常的なものですが、初めて聞くとびっくりするかもしれません。
実はこのゴロゴロには、さまざまな意味があるのです。
幸せ、リラックスしている時のゴロゴロ
野良猫がおとなしく頭や体を撫でられている時に聞こえるゴロゴロはこれです。
警戒心が解かれ、リラックスした状態であなたに甘えています。
喉にそっと指を当ててみてください。人間でいう「喉仏」が振動しているのが分かると思います。
偶然見つけた野良猫にこんなふうに甘えられたら、時間を忘れてナデナデしてしまいそうですね。
母猫とのコミュニケーションのゴロゴロ
もともと猫のゴロゴロ音は子猫から母猫に自分の様子を伝える手段であると言われています。
母猫のミルクを飲んでいる時や、飲み終えて満足している時などにゴロゴロと鳴くことで、「元気だよ、満足しているよ」と母猫に伝えているのです。
安心してゴロゴロ鳴くのは、子猫の時のこの習性が大人になっても残っているからと考えられており、大人になるとゴロゴロ鳴かない猫も存在するそうです。
つらい、不安な時のゴロゴロ
猫がゴロゴロ鳴くのは安心感、満足感の現れですが、実はまったく真逆の「つらい時、不安な時」にもゴロゴロ鳴くことがあるのです。
怪我をしたり、衰弱している時などの苦しい状況でゴロゴロと鳴くことにより、猫自身のストレスや痛みを軽減する効果があるんだとか。人間が不安な時に自分自身に「落ち着いて」と言い聞かせるのと似ていますね。
野良猫だとけんかなどで怪我をしてしまうことも多いため、ゴロゴロと鳴いているからといって必ずしも甘えているとは限りません。ゴロゴロ音だけではなく、猫の様子もよく観察してみてくださいね。
猫の鳴き声はさまざま!なぜ鳴く?鳴き声ごとの感情は?
猫には、ゴロゴロ音以外にもさまざまな鳴き声があり、鳴き方で感情が分かることもあります。猫と長く暮らしている方であれば、目を見るだけで飼い猫の言いたいことが分かってしまう、という方もいらっしゃるかもしれません。しかし出会ったばかりの野良猫とは、なかなかそうもいきませんよね。
猫の鳴き方ごとの意味について紹介します。
大きな声で「ニャー」
こちらを見つめて、大きな声で「ニャー」と鳴く場合の多くは、おねだりです。
野良猫ですからお腹が空いているとか、あるいは撫でて欲しいなど、こちらに要求を伝えようとしている鳴き方です。
要求に答えてあげたい気持ちは分かりますが、野良猫へのむやみな餌付けは避けるべきです。ナデナデで我慢してもらいましょう。
短く「ニャッ」「ニャッ」
短く鳴くのは、人間に対する挨拶(やあ!というような)や、呼びかけに対する返事です。また、おもちゃなどで遊ぼうとした時にも「ニャッニャッ」と鳴くことがあります。何にせよ、短く鳴くのは相手に対して少なからず信頼感がある場合のようです。
耳を伏せて「シャーッ」「フーッ」
耳を伏せ、毛を逆立てて「シャーッ」「フーッ」と空気を吐き出すような鳴き声は威嚇です。
野良猫がこのような声で鳴いている場合は、近づいてはいけません。警戒心が強くなっているので、手を出すと引っかかれたり噛み付かれたりする可能性があります。
人に慣れていない野良猫の場合は、そっと離れるか、遠くから見守るだけにしましょう。
長く鳴く「ウオーン」、お経を読むような「ウニャウニャウニャ」
猫がけんかをする時の声はとても特徴的です。「ウオーン」と長く鳴いたり、まるで人間の言葉を喋ろうとしているように「ウニャウニャ」と低い声で鳴きます。
これはすでに臨戦態勢に入っている声ですので、絶対に近づいてはいけません。
赤ちゃんの泣き声のような大きな声
猫の発情期の鳴き声は、人間の赤ちゃんの泣き声に似ていると言われます。
それほど大きく、また普段とは違った声なので興味を引かれるかもしれません。
しかし発情期の猫は普段とは性格が変わってしまうこともありますので、野良猫の場合はむやみに近づかない方が賢明でしょう。
まとめ
猫のゴロゴロ音、鳴き声についてのポイントは4つです。
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猫のゴロゴロ音は「安心」「リラックス」の表現!
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不安な時に自分を落ち着かせるためにゴロゴロ鳴くことも!
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猫はその時の感情でまったく違った鳴き声を出す!
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「ニャー」「ニャッニャッ」などの鳴き声は信頼感の現れ、それ以外は興奮している可能性があるので注意が必要!
猫は言葉を話せませんが、ゴロゴロ音や鳴き声で人間に多くのことを伝えてくれます。野良猫と触れ合う時には、猫の態度と合わせて鳴き声にも注目すると、仲良くなれるかもしれません。
猫は鳴き方もさまざまですが、個体ごとに鳴き声にも違いがあり、野良猫がたくさんいるスポットで鳴き声を聞き比べてみるのも楽しいですよ。