野良猫は街のあちこちにいます。人間の生活領域に入り、
ゴミを漁ったり庭に侵入したりするのは困りますが、実害がないならと放置している人も多いでしょう。
しかし、ある日道を歩いていて、怪我をした野良猫を見つけてしまったら、
あなたならどうしますか?優しい方であれば、なんとか助けてあげたい…と思われることでしょう。
野良猫を保護するときはいくつか注意点があります。
そして、当然気になるのは治療費ですよね。
今回は、怪我した野良猫を保護する場合のポイントについて紹介します。
野良猫を保護するときは注意が必要!
猫は大変警戒心の強い生き物です。普段から人に慣れていない野良猫で、
さらに怪我をしている場合はなおさら警戒心が高まっています。
不用意に捕まえようとして手を伸ばすと、驚いて逃げられてしまったり、
噛まれたり引っかかれたりしてしまう可能性があります。
猫による咬傷や引っかき傷から感染症を引き起こす恐れがあるため、
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野良猫を保護する場合には必ず手袋などを着用し、肌の露出は避けるようにしてください。
野良猫の保護方法① 猫に近づくことができる場合
警戒心の強い野良猫ですが、人慣れしていたり、
怪我の状態がひどく弱っている状態であれば、毛布やタオルなどで包むように
抱き抱えることで捕獲することができるでしょう。
猫は包まれることで安心感を得ることができるため、
そのまま洗濯ネットやキャリーケースなどに入れてやります。
このとき、むやみに傷口を触れることはしないでください。
野良猫が痛みのために暴れてしまう可能性があります。
野良猫の保護方法② 逃げ出す可能性がある場合
逆に、動ける程度の状態であれば、警戒心が増していると考えられるので、
保護は難航するかもしれません。こういった場合は、
「捕獲器」を使用するのが手っ取り早い方法と言えるでしょう。
追いかけっこで野良猫の体力を奪うこともありませんし、捕まえる側も安全です。
「捕獲器」は、動物愛護団体や自治会からレンタルできることがありますのでうまく活用しましょう。
怪我した野良猫を保護したとき、まずやるべきことはコレ!
やるべきこと① 動物病院で獣医の診察を受ける
首尾よく野良猫を保護できたら、まずは動物病院へ連れて行き、獣医師の診察を受けましょう。
保護した野良猫の怪我や健康状態の確認はもちろんのこと、
感染症にかかっていないか検査したり、必要に応じてノミダニ駆除や予防接種を受けることもできます。
しかし動物病院が閉まっているなどで、一旦自宅へ連れ帰る必要がある場合もありますよね。
もし自宅ですでに猫を飼っているなら、すぐに手を洗って服を着替え、
保護した猫と飼い猫を隔離するようにしてください。
野良猫は怪我だけではなく感染症にかかっている場合もあるので、飼い猫に感染すると大変です。
やるべきこと② 飼い主はいないかを調べる
保護した猫は野良猫ではなく、逃げ出してしまった飼い猫かもしれません。
動物病院へ連れて行った際に、マイクロチップが埋め込まれていないかの確認もしてもらいましょう。
マイクロチップの読み取りができない動物病院もありますので、
余裕があれば事前に調べてから行くとよいでしょう。
あわせて、警察や保健所に迷子猫の届出がないかを調べましょう。
やるべきこと③ 新たな飼い主を探す
野良猫を保護するということは、責任が伴います。
保護した猫の飼い主が現れない場合でも、元気になったからまた野良に戻す、ということはしないでください。
せっかく救った命なのですから、できれば保護した方が家族として迎えてあげてほしいと思います。
事情があり飼えない場合は、動物保護団体などに相談してみましょう。
野良猫の保護・里親探しをしてくれるアニマルシェルターがあれば、
保護した猫を引き取ってくれる可能性があります。
一時的に自宅で保護できる場合は、動物病院にお願いして里親募集の張り紙を
してもらったり、地域で行われている「譲渡会」に参加してみるのもよいでしょう。
病院での治療費、どれくらいかかる?
野良猫の保護から里親探しまでを説明しましたが、気になるのは病院での治療費ですよね。
当然のことながら、野良猫には人間のような健康保険がないため、
怪我や病気の治療費はすべて保護した人(保護主)の負担となります。
野良猫の治療を無料で行ってくれる動物病院もあるようですが、
公にしていない場合が多いので、費用がかからなければラッキーくらいに思っておいた方がよいかもしれません。
野良猫治療にかかる費用の相場
*初診料 1000円から3000円程度
*喧嘩傷などの外傷 10000円程度
*交通事故などの外傷(骨折・内蔵損傷) 数万円から数十万円
*ノミダニ駆除薬 1000円から2000円程度
*猫風邪などの治療費 7000円から10000円程度
野良猫が怪我をする原因の多くは、猫同士のけんかや交通事故です。
動物病院は自由診療のため、病院によって費用はまちまち。
軽症であれば1万円以内で済む場合もありますが、
重症になるとレントゲン検査費用や手術費、入院費などで数十万円かかってしまうことも。
野良猫に、そんなにお金はかけられない…そう思うのも、自然なことです。
予算についても、獣医師とよく相談し、無理のない範囲で治療してあげましょう。
怪我をした野良猫を見つけた場合、「かわいそう」という気持ちだけでは助けてあげることはできません。
保護するのにもリスクが伴いますし、費用負担についても考えなければなりません。
保護、治療が終わったあとにその猫をどうするのか?
命を救うことは命に責任を持つことです。
野良猫に手を差し伸べる前に、一度、命を背負う責任について考えてみてください。